デモプログラムなど

基本動作と一連の運動


運動推定実験で用いる腕の運動です.前半では,6種類の基本運動(A:手を曲げる,B:手を伸ばす,C:手を握る,D:手を開く,E:腕を回内する,F:腕を回外する)を行なっています.後半では,15種類の運動を行なっています.この中には,基本動作の組み合わせからなるもの,一部に他の運動と重複があるもの,基本動作とは大きく異なる動作が含まれているものなどが含まれています.

現在,開発している運動推定システムでは,少ない学習サンプルでも表面筋電位信号から一連の運動を平均85%以上で推定することができます.



アームロボットの操作


追坂電子社のP-EMG PLUSから筋電位(8チャネル)を取得し,川田ら(筑波大)の方法を用いて動作を識別し,デンソーウェーブ社のVE026Aをb-CAP通信で制御しています.手の開閉(パーとグー)が少し見難いですが,正しく動作しています.

このシステムをさらに発展させて,幾つかの基本運動からなる少し複雑な動作を予測する実験を行なっています.



表面筋電位によるロボット操作


追坂電子社のPersonal-EMGを使って,人間の表面筋電位信号を取得しています.多数のチャネルの筋電位パターンから手の形状を識別して,それを基に四足のロボットを動かしています.

基本的な運動の識別器として選択的不感化を適用した層状ニューラルネット(選択的不感化ニューラルネット,SDNN)を用いています.前処理・SDNNの利用は筑波大・川田らの方法を利用しています.



信号は電位として取得され,大きな力を出せば大きな電位が観測されます.動画中の赤色のマスが各チャンネルの電位の大きさに対応しています.ノイズ除去,積分など適切に前処理をすると,どの筋肉がどのくらい収縮しているかわかり,全体的なパターンから基本的な運動が推定できます.

似た運動を識別するためには,一つのセンサ信号だけを独立に見てもわからないようです.二つのセンサ信号の組み合わせを見ると識別できそうですね.



動画中の棒グラフはSDNNの出力パターンと各動作を表すパターンの類似度を表しています.赤い棒が最も類似度が高く,これに対応する動作を行なっているとシステムは判断します.

簡単な実験の結果,6動作を2サンプルづつ学習しただけなのに高い識別率を示しています(学習は1分程度,9割以上の識別率).また,識別の速さや,未学習の動作であるチョキを行った場合,パーやグーに近い出力が出ていることも面白い点です.

これら基本的な運動の系列をリカレントニューラルネットがつくる力学系を用いて処理し,より複雑な動作を推定するシステムの構築を目指しています.



モーションセンサ


Microsoft社・Xbox360のオプションであるKinectを使って,人間の運動情報をコンピュータに取り込んでいます.

これを用いて,幾つかの単純な行為からなる作業を実行するタスクやリーチングタスクにおける腕の運動を調べたり,視覚誘導性手続き記憶を調べたりする実験を計画しています.



非単調出力関数

非単調な入出力特性を持つ関数について,Geogebra(Java applet版)で直観的に理解できるようなグラフを描きました.